【『求められていること』からスタートしてしまっている】
サッカーチームでも会社組織でも、選手の多く、社員の多くが『求められていること』をこなすことが仕事だと思っていると思います。
『仕事だからやらなければいけない』
『この仕事は好きではないが、言われたからしょうがない』
『苦手な部署に配属されたが、自分の得意もよくわからないから、どうしようもない』
『そもそも、リーダーがひとりひとりのことを理解していない』
といったように、チームに『あきらめ』の雰囲気があり、選手が社員が活き活きしていない状況を最近はよく目にします。
【自分らしいリーダーが周りの自分らしさも引き出す】
僕はサッカー監督として、選手ひとりひとりが強みを発揮してプレーしている姿を見ている時、幸せを感じていました。『リーダーとは、周りの人の自分らしさを発揮させ、幸せにする人』だと思います。『自分らしさ』とはその人の強みです。僕は、その人の『好き』と『得意』を強みだと思っています。『好き』とはその人の興味・関心、やりたいこと、やってみたいこと。その人の大切にしたい価値観です。『得意』はその人のスキル・経験・知識、できることです。ひとりひとりの強みは、『強みを発揮できる場所』、『一緒に働くチーム』がいてはじめて発揮されます。ひとりひとりの『好き』と『得意』を理解しあい、認め合えるチームを作り、活き活き働く、プレーする社員、選手に囲まれるリーダーをめざしませんか。
【 Happy First Achivement (ハッピーファーストアチーブメント)】
今までは、「勝って選手を喜ばせたい」、「売り上げをあげて社員を幸せにしたい」というように、『成功の先に幸せ』がありました。でも僕はずっと、「選手が幸せにプレーできる環境、自分らしくプレーできるチームを作れば、選手たちが勝利を運んでくれる」、「社員ひとりひとりを大切にして、ひとりひとりの働きがい、強みを最大限発揮できれば、売り上げは上がる」と信じています。高校の先生をしていた時も、世界中で指導していたときも、生徒たち、選手たちが『自分らしさ』を発揮できている時、自然と結果も出ていました。
【自分らしいリーダーを目指す】
僕も監督として、いつも、実力不足で悩んでいました。今も、リーダーとして、悩み続けています。でも、それは『自分らしさ』ではなく、社会が求めるリーダー像を求めていたからだと気づきました。社会が「トップダウン型リーダー」がいいと言えば、選手に厳しくしてみたり、「支援型リーダー」がいいとなれば、フォローを意識してみたり、でも、そこには、リーダーとしての僕自身の『自分らしさ』がありませんでした。
【『自分らしさ』に気づくには『仲間』の存在が欠かせない】
僕の周りは「自分らしく」あろうとして、一人になろうとする人が多かった。そのことに、僕は漠然と違和感を感じていました。僕は、その人が『自分らしく』いるためには、『仲間』の存在が欠かせない、と思っています。僕自身も、僕の苦手を分かって、そこを引き受けてくれる仲間がいたから、僕は自分の得意を活かせた。先生だった時も、監督の時も、『苦手はあっていい。君の弱さが仲間の強みを活かす。』ずっと、そう伝えてきました。
『自分らしさ』に気付くためには、仲間の存在が外せないのです。
でも、どのようにして『仲間』とともに『その人らしさ=その人の強み』に気づかせてあげらよいのか、わからない人も多いと思います。僕もわかっていませんでした。
【自分の強みは、その人にとってはあたりまえ(無意識)なので、気づくことができない】
みなさん、ジョハリの窓をご存知ですか。ジョハリの窓は、心理学者のジョセフ・ルフト(Joseph Luft)氏とハリントン・インガム(Harrington Ingham)氏の両名によって1955年に考案された概念です。それは自己と他者から見た自己の領域を表すもので、対人関係の進展や自己理解に利用され、心理学の領域だけでなく、ビジネスにおいての能力開発にも利用されているもので、僕も最近知りました。
ジョハリの窓は、自分自身が見た自己と、他者から見た自己の情報を分析することで次の4つに区分して自己を理解するというもので、以下の4つの領域に分けられます。
① 自分も他人も知っている自分の性質(開放)
② 自分は気付いていないが他人は知っている性質(盲点)
③ 他人は知らないが自分は知っている性質(秘密)
④ 自分も他人も知らない性質(未知)
僕たちが、チームの中で安心して『自分らしさ』を発揮できる状態は、『解放の窓』が大きい状態。つまり、自分自身も『自分らしさ』に気付き、周りの仲間も『あなたらしさ』を知っていてくれる。そんな状態が、理想の状態です。
ですが、「こんな自分を知られたくない」「周りからどう思われているか聞くのが怖い」・・・。普段のコミュニケーションの中では、そんな風に感じてなかなか自分をさらけ出せないし、自分が思ったことも、相手がどう思うかを気にして伝えられない。そんな風に感じ、つい人と距離をとってしまう…。部下とコミュニケーションをとろうとしても、なかなか踏み込めない、そんな経験はないでしょうか?
自分一人で『自分らしさ』に気づくことは難しい。そうわかっていても、その方法をいきなり実践することは難しい・・・。
そこで僕たちは
◎安心、安全な場を作ること。
◎その中でで自分を開示する経験を積むこと。
◎仲間のフィードバックから『自分らしさ』を知ること。
そんな場作りを考え、1年間実践してきましました。そして、この方法なら、多くの人が、それぞれの「自分らしさ」に、仲間とともに、その人なりのペースでたどり着くという方法がようやく、見えてきました。そして、メンバーひとりひとりが『自分らしく』働けるためには、それを作れるリーダーが必要だということ、そのリーダーもまた、『自分らしく』いられることが大切だと気付きました。そんなリーダーが増えることで、Happyな組織が増え、社会がHappyになると信じ、『周囲の自分らしさを叶え、自分自身も自分らしくあれるリーダー』を一緒に学んでいく場を作ることをきめました。
【ひとりひとりのありのまま(Being)を認め合い、ひとりひとりの挑戦(Doing)を応援しあえるチーム(仲間)】
僕は、出逢った人に『今も、そして未来も幸せで笑顔でいてほしい』と強く願っています。
高校の先生をしていた時、生徒たちには『これからもずっと幸せでいてほしい』と思って関わっていました。『ずっと幸せでいる』ためには、彼ら自身が、自分の『好き』に素直に行動し、『得意』を成長させていくことが大切だと思っていました。
トップリーグで監督をするようになり、選手たちの『今の夢』も『将来の夢』も両方、叶えてあげたいと思いました。選手たちは、いつも勝ちたい、優勝したいと思っています。
今の夢を叶えるために、未来のための成長を犠牲にしたり、未来の夢のために、今のやりたいを犠牲にすることは違うと思います。今の精一杯の喜びと頑張りが必ず未来にも繋がっている形にしたいです。
仕事を通して、サッカーを通して、『成長を約束』し、『今持っているものでも活躍できる』そんなチームを僕はリーダーとして作りたいと思っています。
まだまだ未熟ですが。でも、今の僕の精一杯を伝えていきたいと思っていますし、皆さんからも学びたいと思っています。〇〇型のリーダーシップではなく、僕たちひとりひとりの
『自分らしいリーダーシップ』を一緒に磨いていきませんか。
僕たちと一緒に自分も、そして一緒に働く人たちの『自分らしさ』を発揮できるリーダーを目指しませんか。